ラッパーの手の動き50

よく、ラッパー達はラップをしながら手をいっぱい動かして、様々な表現を行なっています。


表現にはどういったものがあるのか気になり、youtubeでたくさんラップの動画を観て集めてみました。


では、早速見ていきましょう。



1.フム

アゴに手を当てる。また、撫でてスリスリする。
「フムフム」「なるほど」みたいな表情をしたりします。






2.払う

アイーンのような状態から手を外へ払う、もしくは逆に、外から内へ払ってアイーンのような状態になるような動きです。
「一掃してやるぜ」「全部じゃまくせえ」みたいなそんなような動きです。





3.上昇

よく見るポーズです。
手をいっぱい動かした後の最後の決めポーズのような形で使われることが多い印象。





4.まだあわてるような時間じゃない

よく見ます。
ろくろ回してるインタビュー写真みたいな感じです。







5.ボルト

ラップの手の動きは時にジェスチャーからダンス寄りになることがあります。
ラッパーには自分、または仲間特有のハンドサインを持っている方がいます。





6.ダメダメ

このように手を振りながら、同時に少し首を横に振っていることが多いです。





7.チョンパ

首チョンパの動きです。
親指を少し立てて水平にス!とやるレスラーのようなパターンや、首の横で手首をサッサッと振るパターンなど、人によって少し違いがあるようです。






8.ゼニ

硬貨の形にしていますが、実際は硬貨と限定せず少額のお金という意味で使われるような印象です。
手を軽く握って指先を擦る紙幣の動作でもお金を表現できます。


<追記>指で円をつくる硬貨のサインは通貨単位の円を表していて、これは大隈重信が考案したものだそうです。




9.バッチグー

「ゼニ」と同じ指の形ですが、これはバッチグーです。





10.クロスアーム

交わっていることを表現しています。
DMXやxzibitというラッパーは自身の名前のXを表現する時にクロスアームしたりするようです。





11.ドライブ

ハンドルを握る動作です。
突き出したグーを弧を描くように左右に動かします。
悪そうなやつは大体ハンドルをこのように持ちます。
教習所では10時10分の位置を持つよう教わります。





12.ファックサイン

モザイクが掛かったり自主規制したりするせいか、海外のヒップホップのPVではあんまり見ない気がします。





13.ゴッツンコ

衝突を表現しています。





14.合掌

合掌して手を擦り合わせているのをちょくちょく見ます。
宗教的な意味で使っている場合とそうでない場合があります。






15.銃

片手の方がよく見ます。





16.段階

手を上げたり下げたりして、レベルやステップなどを表現します。





17.ここ

さっきの「上昇」の逆で、下降も表現できるようですが、どちらかといえば「この場所」という意味で用いられることの方が多い印象です。







18.重ねる

よく見る動きです。
正直どういう意味の動きなのかはよくわからないです。
重ね重ね、繰り返しという意味で使われることもあるようですが、特に意味はないのかもしれません。





19.カチンコ

映画などでアクションの合図と同時にシーンやカットナンバーが書かれたカチンコをカチンコする、あれを腕で表現しています。
ややダンス寄りでしょうか(追記:この動きはダンス用語ではバイトと呼ばれていて「人の作った技を盗むという意味」だとダンサーの子が教えてくれました)





20.キープ

胸の辺りからスーッと真っ直ぐ伸ばす動きです。





21.ハート

グーだと「心情」などを示す動きになりますが、手を開いていると「私」を表現する動きにもなるようです。











22.小道具

手だけでなく、小道具を使っている場合です。
どれもよく見る動きです。





23.線

指先を波状に動かして「回線」を表現しています。





24.聞き耳

関心を喚起(韻)しています。
これもよく見ます。





25.私

特に海外ではこの手の形にして「私」を示すことが多い印象があります。
映画『タクシードライバー』で、デニーロが一人で「you talkin' to me?」と言う有名なシーンでも見られる手の形です。




26.マイク

片方の手でマイクスタンドの固定器具を表現しており工夫の利いているポーズです。







27.一本指

これはかなり汎用性の高い手の形です。
ラッパーはリリック(歌詞)に数字が出てくると、必ずといっていいほど指を立てて示します。
「1」を示すだけでなく「最高だぜ〜」という感じで使うことも多いようです。
一本指の形(あるいはパーの状態)で挙手し、姿勢を保ってリズムに合わせて身体を前後に反らし観客との一体感を高めたりしている場面はよく見られます。
「内緒」はアメリカでも通用するジェスチャーのようです。
「記憶」の表現にもよく使われます。
自分や相手、時や場所などの方向性を表現することもできます。
あと、手を細かくこちゃこちゃと動かして特に何を表現しているわけでない人も、手の形が一本指(またはフレミングの法則のような形)になっていることが多いです。





28.後方

これもなかなか使い勝手の良い動作のようです。
単純に「後ろ」「背中」だけでなく、「責任」「出身」「過去」「バック(仲間)」などを表現できます。





29.様々な方向

両手の指先の向きが異なっており、十人十色の生き方があるということを示しています。





30.これっくらいの

おにぎりおにぎりちょいと詰める歌のあの動きです。
枠、壁などを表現しています。
da pumpの『if』のPV中に出てくる「無理に誰かを愛そうなんて」の時の動きとは異なっています。





31.なんのこっちゃ

「?」という動きです。
海外の映像作品で誰しも一度は目にしたことのある動きだと思います。





32.この通り

これもよく見ます。
かなり抽象的な意味で用いられているように感じます。
周りに人がいっぱいいる時は「みんな」を表します。
「なんのこっちゃ」より腕を大きく広げています。





33.電話

人それぞれの感覚の問題ではあると思うのですが、この電話の持ち方で携帯電話を表現すると少し違和感が生まれる気がします。
無関係な話ですが、スマートフォンで電話をしている時の手の形というのはグワッて感じでちょっぴり不恰好な気がします。





34.覗き穴

見ています。





35.吸う

「覗き穴」と少し似ていますが、こちらは大麻や煙草や葉巻や大麻や主に大麻を表現しています。





36.フニャ手

最も多いのがこれです。
この画像ではなにやら意味ありげな形をしているように見えますが、手の力を抜いて前後左右にプランプランさせてリズムを取っているだけで、動き自体には特に意味はありません。
プランプランでなく、手首に力が入っていてサッサッと動かす場合もあります。





37.パンチ

パンチ。





38.イメージ

これも多いです。
「想像」「展望」など、様々なものを表現できそうです。





39.歩く

そのまま「歩行」や「前進」です。
指先をチョコチョコやる、かわいらしい動きです。





40.ペン

リリックを書いている動きです。





41.乾杯

酒瓶の上の細いところを持っているようです。





42.チュクチュク

スクラッチをする動きです。





43.腕組み

身体を大きく反らす人がちょくちょくいますね。





44.おいカメラ止めろ

パーで押す動きです。





45.ピーチクパーチク

影絵の犬を喋らせるような動きです。






46.ガッツ

夢を掴め!





47.これっぽっち

指先をくっつけたり離したりは好みのようです。





48.シュート

手首のスナップが大事。





49.地球

手を軽く握って円を描くことで「世界(地球・星)」を表現しています。





50.飲み込む

開いた両手を顔の前で握り込むことで飲み込むということを表現しています。




以上で50種類です。


手は、人間の身体の中で構造、動き共に最も複雑で、表現力が高い部位です。


50種類なんてごく一部に過ぎず、まだまだたくさんの魅力的な手の動きがあるでしょうし、これからも生まれていくことでしょう。


効果的な手の動きを身に付けることで、リリックが聴き手により伝わりやすくなる筈です。


逆に、手の動きだけでリリックを伝えられるくらいにまでなれたら、手話の先生になれて足を洗ってサグライフにオサラバできますね。


良かったですね!