鎖骨ちゃんって何

鎖骨ちゃんってなんなんだと、整理してみたくなったのでします。


鎖骨ちゃんというのは、インターネットのお友達らによる音楽イベント、鎖骨ブチ折りナイトのマスコットキャラクターです。


今年の二月だか一月、鎖骨ブチ折りナイトにDJとして参加している愛さんから「ミッションちゃんみたいな感じの漫画描いて」と依頼され描きました。


『ミッションちゃん』は、主人公の少女が自殺したあと目を覚ますと監禁されており、様々な命を受け働かされる、というweb漫画です。


作風が素晴らしく個性的で、特に、キャラのフォルムを正確に描いていないにも関わらず成立しているところ、豊かな表情、画材がなぜかコロコロ変わるところなど、展開が読めず飽きさせない、安定した不安定感はプロの先生の漫画では読めないweb漫画らしい傑作だと感じました。


後に知ったのですが、愛さんはこの時にはミッションちゃんをきちんと読んだことはなかったようです。


ただ、数ページ読むだけでも作品の魅力は大体解ります。


ミッションちゃんというキャラクターにとても惹かれたぼくは、オマージュのような感じにしようと思いながら一話を描きました。


本当はオリジナルという形できちんと話を考えようと、色々とあらすじを考えて悩んでいました。


自分で最もよくできたものは、死にたくても死ねない鎖骨ちゃんが生きたくても生きられない男の子との出会いの中で成長し手に入れた寿命を男の子に譲って死ぬところまでを描いたドキムネ青春ラブストーリーだったのですが、話の都合上31ページくらいの量になってコミックビーム編集部に持ち込んでマーチ卒の編集者に痰唾吐き掛けられてパイプ椅子で殴打して十五年間クサいメシを食うことになりそうだったので諦めました。


鎖骨ちゃんは「死にたいのに不老不死なので死ねない殺し屋」という、誰でも思い付くだろうし誰も描かなさそうな設定です。


死にたいと常に思っているキャラクターは受動的になってしまい、お話に推進力が生まれないので、鎖骨ちゃんには何かしらの動機を与えたいとずっと悩んでいました。



二話目では新キャラを登場させたのですが即死してしまいましたし、この時も鎖骨ちゃんは横で見ているだけでした。


三回目はフライヤーだったのでイラスト一枚で済みましたが、何をやっても鎖骨ちゃんらしさが出ないので、いっそのことと思い鎖骨ちゃんらしくない感じにしてみました。


四回目では手抜きのくそ四コマにしました。


毎回あれぐらい楽な方が良いです。


久々の漫画形式である五回目は鎖骨ちゃんを動かす唯一の手段である、死を描いてみました。


死ぬ為なら如何なる努力も惜しまず、涙とよだれを撒き散らしながら自死へと突っ走るという、鎖骨ちゃんが最も活き活きするお話です。


ぼくはおえかきは普段しますが、漫画は全く描きません。


漫画を描くのはおえかきとは全く別の行為で、ぼくにはとても大変なことです。


一体この漫画いつまで続くのかな今回最終回気味に描いちゃって以降何描けば良いのか解らないし生活が厳しいしいつもお菓子とお酒とレッドブルに頼って破滅しながら描いてる割に大して反響も報酬らしきものも無いし(フライヤーをやった第三回はタダで入れてもらえた)生活が悲惨で生きていけなくなると思っていたんですが、このイベントは定期化が決定しましたし、オーガナイザー曰くもっともっと大きなイベントにしていくそうです。


コミックビーム編集部の皆さん、コミックビームは読んだことがありませんが単行本化に向けた連載をどうか宜しくお願い致します。